人間関係を築く上で欠かせないもの、それは人に共感する力です。
共感とは人の実情や気持ちを受け入れて同じ気持ちになることであり、それは思いやりそのものでもあります。

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

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(本連載を1冊にまとめました)

例えば、みなさんが旦那さんに「ねえ、聞いてよ。部長ったらまた私に面倒な仕事を押しつけてくるのよ」と愚痴をこぼしたとします。

そのとき、旦那さんが「何言ってるんだ。仕事なんだから仕方ないだろ」と答えたらどうでしょう?

頭にきてよけいストレスがたまるはずです。
同時に、気持ちを理解してくれない旦那に大きな不満と不信を持つはずです。

その反対に、「それは大変だね、今でも仕事が多いのに。

上司ももっと考えて欲しいよね」と共感してくれれば、胸のつかえも下りるというものです。
同時に、気持ちを理解してくれた旦那への感謝と信頼の気持ちがわいてくるはずです。

また、例えば職場で自分の考えを人に話したとき、「ダメダメ、そんなの無理に決まってる」と門前払いされたら絶対にいい気はしません。

その反対に、「なるほど、それはいいアイデアだね。顧客心理をつかんでるよ。でも、今の状況では実現は無理かも…」と言われたらどうでしょう?

たとえ無理と言われた点は同じでも、気持ちの上ではかなり違ってくるはずです。
前者には反発と不信の気持ちが、そして後者には感謝と信頼の気持ちが育つはずです。

仕事でも生活でも、共感力のある人は自然に後者のような対応ができるので、いい人間関係ができていきます。

では、子どもに共感力をつけてあげるために親ができることは何でしょうか?
大切なのは、親自身が子どもに対して共感的に接することです。

例えば、子どもが習い事を辞めたいと言い出したとします。
そのとき、多くの親は「ダメダメ、何言ってるの!やめられるわけないでしょ」と門前払いしてしまいます。

そうではなく、まずは「どうしたの?」「そうなんだ」「それはイヤだよね」「たいへんなんだね」と共感的に聞いてあげることが大切です。
そうすれば、子どもは正直に話せて気持ちがすっきりします。

場合によっては、それだけでもっとがんばってみようという気持ちになることもあります。
そうならない場合も、問題点がはっきりするので解決策も見えてきます。

もちろん、実生活においては子どもが言うことに対して「ノー」と答えなければならないときもあります。

そういうときもいきなり頭から「ノー」と言うのではなく、まずは共感的にたっぷり聞いてあげて、最後に「ノー」と言うようにしましょう。

日頃からこのように共感的に接してもらえている子は、「自分の気持ちがわかってもらえている」と感じ、親への信頼の気持ちを持つようになります。
そして、同じような接し方が自然に身につきます。

親の日頃の言葉づかいや人との接し方は子どもにとってモデルそのものですから、子どもは自然に真似するようになるのです。

具体的には、「うん、うん、そうなんだ」「なるほど」「たいへんだね」「困ったね」「がんばってるね」などの言葉が多くなります。

この反対に、日頃から共感的に接してもらえていない子は、「自分の気持ちがわかってもらえていない」と感じ、親への不信感を持つようになります。

そして、兄弟や友達に対しても同じような接し方をするようになってしまいます。

具体的には、相手に対してすぐ「え~!?」「ダメ、ダメ」「何言ってるの」「勝手なこと言わないで」「そんなこと言っても仕方ないでしょ」「がんばらなきゃダメでしょ」などの言葉が多くなるのです。

初出『子ども英語ジャーナル』(アルク)2012年1月号

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