先日テレビで見たのですが、都内で大人気のあるそば屋さんでは、原料のそば粉の作り方はもとより、そばに含ませる水の割合、そばつゆのだしの取り方、そばがおいしそうに見える盛りつけ方や照明の色など、実にいろいろな工夫をしていました。

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

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(本連載を1冊にまとめました)

さらには、客の回転率を上げるためにテーブルや座席の配置に至るまで細やかな工夫をしていました。

でも、店を始めた当初は人気がなく閉店の瀬戸際まで追い詰められたこともあったそうです。

そこで、一念発起して店のいろいろな問題について1つずつ解決方法を工夫して実行してきました。それが実を結んで今日の繁盛につながったのです。

世の中のどんな仕事でも成果を上げている人は工夫をしています。

製造業者は良質なものを低コストでつくる方法を、販売業者はいい商品をより安く大量に売る方法を、忙しいビジネスマンは効率的な時間管理の方法を、教師は楽しくて力がつく授業の方法を工夫しています。

仕事以外の日常生活においても同じです。

片づけが上手な人は片づけの工夫ができる人であり、料理が上手な人は料理の工夫ができる人なのです。
実に、工夫ができる人こそが成果を上げられる人なのです。

このように、何らかの課題や問題があるとき、合理的な工夫をして解決する力を合理的解決力といいます。

この力があるのとないのとでは、人生は大きく変わってきます。
これがないと、ただ頭を抱えて困るだけで進歩も成長もありません。

では、子どもたちに合理的解決力をつけるために親ができることは何でしょうか?
大切なのは、親自身が生活の中で合理的な工夫をして問題解決する姿を見せることです。
中でも、特に、子ども自身に関わる問題で工夫する姿を見せると大きな効果があります。

例えば、子どもが忘れ物が多くて困っているとします。
そのとき、その問題を解決するための工夫をしてあげてください。

具体的には次のようなことです。絶対忘れられない物は大きな紙に書いて目立つところに貼っておく。

持ち物一覧表やチェックリストをつくる。
毎日持っていく物を写真に撮ってカバンの裏に貼っておく。
持ち物を付箋紙に書いて靴の上に貼っておく。

大きな声で「○○を持っていく。○○を持っていく。…」と10回言う。
家の中に持ち物コーナーをつくり、学校に持っていく可能性のある物は全てそこに置く。

この他にも、朝起きられない、歯を磨くのを忘れる、宿題の取り掛かりが遅い、ゲームをやり過ぎる、テレビを見過ぎるなど、いろいろな問題があるはずです。

どの問題についても合理的な工夫をして解決することが大事です。
それらの工夫は親が考えてもいいですし親子で一緒に考えてもいいのです。
でも、子どもだけではなかなか考えつかないので親がリードすることが必要です。

多くの親はこれらの問題についてただ子どもを口で叱るだけで済ませています。
でも、それでうまくいくことはまずありません。

それよりも、実際に合理的な工夫をしてできるようにしてあげることが大切です。
それは、合理的な工夫で問題解決することの素晴らしさを、子どもに身を以て体験させてあげることにもなります。

実際、親が工夫する姿を見せていると子どもも自分なりの工夫をするようになります。
それを見つけたら大いにほめてあげてください。

子どもの頃から、合理的な工夫をして問題解決することの大切さを知り、実践していけるようにしてあげてください。
それは、子どもの将来にとって大きな財産になるはずです。

初出『子ども英語ジャーナル』(アルク)2011年11月号

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