私が子供の頃、夏になるとよく近くのお寺で盆踊りの練習をしました。
ある夜、その練習の帰り道、近所のおじさんが突然夜空を指さして熱く語り出しました。

「あそこで一番光っているのが、こと座のベガ。その右下の方で光っているのが、わし座のアルタイル。その左の方で光っているのが、はくちょう座のデネブ。」
「明るい3つの星を夏の大三角形と言い、夏の星座を探すときの目印になるんです。」
大体こんな感じだったと思います。
そして、その後も星座の由来とか見つけ方とか熱心に話してくれました。

確か、アルタイルは七夕のけん牛星で、こと座のベガが織女星ということも聞いたように思います。
そして、2つの星は近いように見えるけど、実は光の速さでも何年もかかるくらい離れているのだとも聞いたように思います。

子供心にも、この人はすごいおじさんだと思ったものです。
いっぺんに尊敬してしまいました。
当時そんな話をしてくれる大人は、一人もいませんでしたから。
なんて物知りな人だろうと思ったものです。

私は、今も、夜空つまり宇宙を見るのが大好きです。
この時のことが少なからず影響しているかもしれません。

さて、みなさんもぜひこういう話を子供にしてやると良いと思います。
子供に尊敬されること、間違いなしです。
子供に見直されること・・・?、間違いなしです。

そんなに大変なことではありません。
自分がまずいくつか覚えて、それを子供に話してやれば良いのです。
簡単な入門書を見るだけで十分です。
私が活用しているのは、例によって子供用の学習漫画の「星と星座のひみつ」です。
最初自分が勉強しておいて、機会をとらえて話してやると良いでしょう。

たぶん、実際に夜空の星を見ながら星や星座の名前を教わるという機会は今までなかった、という子がほとんどだと思います。
ですが、星座占いなどで星座の名前は聞きかじったことがあるはずです。
ですから、興味を持つ可能性は大です。

ただし、慣れないと実際に夜空でお目当ての星を見つけるのはなかなか大変です。
自分でしっかり見つけられるようにしておく必要があります。

それと、例えばはくちょう座と言っても、実際に見える星の群からはくちょうの姿を思い浮かべるのはかなり難しいことです。
ですから、実際の星の群とはくちょうの姿を関係付けた図や絵があると分かりやすいと思います。
入門書や星座早見盤があればそれが可能です。

双眼鏡や望遠鏡があれば、なお良いですね。
これも簡単な物で十分です。
あれば雰囲気が盛り上がります。

星や星座についてうまく説明できれば、きっとあなたは尊敬されます。
親子の触れ合いの一時としても、得難い時間になるでしょう。

それに、星や星座を実際に見ておくという経験は、理科の勉強にも大変役立ちます。
小学4年生で月や星の勉強をします。
その後、中学でも第2分野で詳しく勉強します。

でも、学校での授業は当然昼間なので、実際に夜空を見ながらというわけにはいきません。
どうしても、写真や映像を使ってということになります。
そこで、家庭で実際に夜空を見ながら星や星座について学ぶ機会を作ってやることが大切になってくるのです。

ほんの少しやるだけでも随分違います。
実際に自分の目で見たという自信が、学校での勉強に積極的に取り組むきっかけになるはずです。
そして、星や星座や宇宙のことが大好きになるはずです。
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