メールマガジン「親力で決まる子供の将来」や拙著「『親力』で決まる!」を読んだ方の感想の中に、次のようなものがかなりの割合であります。

こういうことを、もっと早く知りたかった。
もっと早く読んでいれば実行できたのに。

10年前に読んでいれば、我が子ももう少し・・・
それをやってこなかった自分が悔やまれる。

まだ子育てをしていない方々は、今読めてラッキーだったと言ってきます。
反対に、既に子育てをしている方々は、多かれ少なかれ後悔の念を持つようです。
我が子がもうかなり大きいという場合は、なおさらです。
普通の自己啓発の本なら、これから自分を変えていけばいいという前向きな気持ちになることができます。
でも、子育てについてのものは、そう単純ではありません。
というのも、既に子供がいくらか大きくなっている場合、その年月は戻ってこないからです。
小さい頃の読み聞かせが大切と書いてあれば、それをしてこなかったことが悔やまれます。
プラスイメージの言葉が子供を伸ばすと書いてあれば、そうしてこなかったことが悔やまれます。
兄弟姉妹の比較は百害あって一利なしと書いてあれば、ああ、しまったと悔やまれます。
最大の課題は大人の感情コントロールと書いてあれば、これまた、ああ、しまったと悔やまれます。

これは、子育てについての情報に接するとき、多かれ少なかれ誰にでも起こることです。
というのも、自分の子育てについて完全に満足している人などほとんどいないからです。

私は、仕事柄、いろいろな親御さんの話を聞いてきました。
外から見るととても上手に子育てしているように見える人でも、その本音を語り出せば、後悔と不安の言葉をたくさん口にします。
恵まれた環境の中で子育てをしているように見える人でも、人には窺い知れないようなことで悩んだり後悔したりしていることがあります。

つまり、ある読者が言うように「子育てに後悔は付き物」なのです。

でも、ものは考えようです。
ここで一つ開き直って、発想の転換をする機会にするといいと思います。
どんな人でも「子育てに後悔は付き物」と分かれば、なんとなく少しホッとします。
完璧な人生がないように、完璧な子育てなどあり得ないのだと分かれば、気持ちが楽になります。

もう済んでしまった人生はしょうがないのです。
それと同じように、子育ての既に済んでしまった時間はしょうがないのです。
何かに気付いたら、そのときから人生を変えていけばいいのです。
それと同じように、子育ても気付いたときから変えていけばいいのです。
それで十分間に合います。
今からでも十分間に合います。
くよくよしたって、しょうがありません。
今気付いただけでも、儲けものです。

やり直せないものは、さっさと諦めることです。
今からやれることを淡々とやればいいのです。
それが、成熟した大人の態度です。
いたずらに後悔して、くよくよしても意味はありません。
後悔を新しい理解と認識に昇華させて、自分を成長させればいいのです。
自分が成長することで、子供のためにもなるのです。
そうすれば、今まで親として足りなかったものを今からでも十分補うことができます。
さらに言えば、それが孫育てや今後の人生にも必ず役に立ちます。

どの親も子育ては初めてなのだから、仕方がないじゃありませんか。
親も子供と同じように育っていけばいいのです。
もともと、この世に誕生させてやっただけでもすごいことなのですから。
それに、今親が失敗だったと思っていることが、何年かしてみると逆によいことだったなどということも起こり得ますから。
「人間万事塞翁が馬」ですから。
「禍福は糾(あざな)える縄の如し」ですから。
親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP