今現在(2006/12)、子どもがいじめを苦にして自殺する事件が相次いで起きています。
わが子は大丈夫かと、心配になっている親たちも多いと思います。

いじめにはいろいろなケースがあります。

いじめられやすいように見える子だけがいじめられるとは限りません。
強い子、元気な子、活発な子、明るい子、友達が多い子などでも、いじめられていることはあるのです。
「えっ、あの子が?」というような子が、密かにいじめられていることもあるのです。
実際にいじめで自殺した子の学校の校長先生が、「あの子は、いじめにあうような子には見えなかった」という主旨の発言をしています。

しかも、多くの子どもが、自分がいじめられていることを知られるのを嫌がります。
ですから、いじめられていることを人に言わないばかりか、隠そうとさえします。
自分がいじめられていることが分からないように、または、親に心配かけたくないということで、わざと明るく振る舞う子もいます。
ですから、親もなかなか気づかないことが多いのです。

でも、そうは言っても、心の内側の苦悩は必ず何かの形で表に出るというのもまた事実です。
次のような場合は、特に気を付けてください。

1,元気がない。逆に、妙に明るい
2,口数が減った。逆に、口数が増えた
3,顔色がよくない。表情が暗い。無表情になった
4,ぼーっとする
5,体の不調を訴える
6,体重の増減
7,いらいらしている。反抗的で怒りっぽくなった
8,学校や友達のことを話さなくなった。その話題を避ける
9,遊びに出なくなった。友達が来なくなった
10,遊ぶ友達が変わった
11,友達が転出した
12,転入生が来てクラスの人間関係が変化した
13,登校が遅くなった。逆に、妙に早くなった
14,帰宅が早くなった。逆に、妙に遅くなった
15,登校を渋る。休みたがる
16,「いってきます」「ただいま」の声の調子が違う
17,本、ノート、下敷き、消しゴムなどに落書きや、それを消した跡がある
18,筆箱の中身やその他の持ち物が減っている
19,服やカバンが汚れる。破れる
20,持ち物が汚れる。壊れる
21,けがをする
22,金遣いが荒くなった。お金を欲しがる。家のお金や品物がなくなる
23,修学旅行、キャンプ、社会見学、遠足、総合学習、部活、塾、スポ少の話題を避ける。休みたがる
24,メールを非常に気にする
25,その他、なんとなく普段と違う

既にお気づきだと思いますが、今挙げた項目の中には矛盾することもたくさんあります。
例えば1つ目にも、「元気がない」と「妙に明るい」の両方が入っていますし、2つ目にも「口数が減った」と「口数が増えた」の両方が入っています。
このことが、いじめの発見を大変難しくしているわけです。
実際に、親でさえも全く気づかないということが、往々にしてあるのです。
そして、この相矛盾する表れの複雑さは、いじめられている子どもの心の中の複雑さを映し出しているのです。

単純に考えれば、いじめられた子は助けてもらうために親にどんどん言うはずだということになります。
もちろん、そういうケースもありますが、そう単純にいかないケースもあるのです。
実は、自分がいじめられているのを知られたくないと考える子は、けっこう多いのです。
そして、その理由にもいろいろあります。
まず、よくあるのが親に心配をかけたくないという理由です。
でも、この「親に心配をかけたくない」という気持ちをもう少し深く掘り下げてみる必要があると私は思います。
それは、親に心配をかけると親に苦労をかけて申し訳ないということなのでしょうか?
もちろん、そういう気持ちもあるかも知れませんが、それよりもっと大きい理由があると私は思います。
「親に心配をかけたくない」のは、実は、親に心配をかけると、言われたくないことを言われるかもしれないからです。
それと、して欲しくないことをされるかもしれないからです。
例えば、言われたくない言葉とは次のような言葉です。
・そんな弱いことでどうする?勇気を出せ
・やられたらやり返せ
・いじめられるお前にも問題があるんじゃないか?
・お前がはっきりしないからいじめられるんだ
このような言葉が、苦しんでいる子をさらに苦しめることも多いのです。

例えば、して欲しくないこととは次のようなことです。
・親が解決に乗り出してうまくいかず、ちくったということでよけいにいじめられる
・親が先生に連絡して、先生がうまく指導できず、ちくったということでよけいにいじめられる
・ああしろこうしろと言われて、唯一くつろげるはずの家でもくつろげなくなる

私は「親に心配をかけたくない」という気持ちには、このようなことも含まれていると思います。

さらに、この他にも、いじめられていることを知られたくない理由はいくつかあります。
子ども自身がいじめられる自分のことを情けなく思っていて、それを知られるのが恥ずかしいという気持ちもあります。
親に知られることでよけいにプライドが傷つくのが嫌なのです。
小さい子にもこういうプライドはあります。

また、既に家のお金などをこっそり持ち出しているとか、店の物を万引きさせられているなどという理由で言えない場合もあります。
別の子からお金を巻き上げる手助けをさせられて、加害者になってしまっているという場合もあります。
そこまでではないにしても、別の子に対するいじめに加わってしまっている場合もあります。
これらの場合、当然叱られることが予想されますから、ますます言えないわけです。
また、これらの場合、事が事だけに、ちくったことに対する報復も激しくなることが予想されます。
だから、ますます言えないわけです。
これは、子どもが背負うにはあまりにも大きな苦しみと言わざるを得ません。

次回からタイトルを変えて、わが子がいじめられているときの対応策について考えていきたいと思います。