前回、子供が自然にできるような合理的な工夫、つまり「叱らなくて済むシステム」が大切だと書きました。
たとえば、片づけタイムをつくるとか簡単収納の工夫をしてやるとか歯を磨きたくなるような工夫をしてやるなどです。
 

でも、ここで1つ頭に入れておいて欲しいことがあります。
それは、いろいろ工夫をしてもなかなか成果が上がらないこともあるということです。
ましてや、子供の苦手を直すところまでは行かないことも多いということです。


その理由は、前々回書いたように、子供は苦手なことを直すのが苦手だからです。
ですから、親は自分にできることをやりつつも成果を望みすぎないことが大切です。
それでないと、「親がこれほどしてやってるのに!」という気持ちが出てきて、また叱りたくなってしまうからです。
 

どうしてもできなければ、目を瞑ってやればいいのです。
自分で片づけができなければ一緒にやってやればいいし、親が片づけてやってもいいのです。
どうしても朝自分で起きられなければ、起こしてやればいいのです。
 

べつに子供のころにすべてをできるようにしてやる必要はないのです。
大人になってからできるようになることもありますし、ずっとできなくてもそれほど困らないことがほとんどなのです。
 

それに、親自身もいろいろできないことはあるはずです。
そして、それについてはしっかり目を瞑っているはずです。だからなんとか毎日やっていける、というのが本当のところではないでしょうか。
 

ですから、子供のできないことを許してやって、そういう子供のありのままを丸ごと受け入れてやってください。
そういう親なら、子供は安心して心安らかに毎日を送ることができます。
 

そして、今まで叱ることに向けていたエネルギーをもっと別のところに向けるようにしてください。
別のところ、それは、つまりほめることです。
 

子供を本当に伸ばしたいと思ったら、ほめることが大事です。
ほめない親やほめることの少ない親は、子供を伸ばすことは絶対にできません。
 

でも、実際は、ほめるのが上手な親はとても少ないようです。
私が教師のころ、懇談会の資料のために「ほめる」というテーマでアンケートをとったことがあります。


そうしたら、親の方は、「よくほめている」と「まあまあほめている」を合わせて4分の3でした。
でも、子供のほうは「よくほめられている」と「まあまあほめられている」を合わせて4分の1しかいませんでした。
 

では、次回は、子供をほめるにはどうすればいいか考えていきたいと思います。