前回、子供は瞬間瞬間を生きる存在なので将来のことを考えて今のうちに苦手なことを直そうとは思わない、だから子供は苦手なことを直すのが苦手なのだ、ということを書きました。


でも、そうすると、「では、何もしなくていいのか?」という疑問が当然出てくると思います。


私は、「何もしなくていい」とは言いません。
私は、子供が自然にできるような合理的な工夫をすることが大切だと考えています。
私はそれを「叱らなくて済むシステム」と呼んでいます。
それは親が考えてもいいですし、もちろん親子で考えてもいいのです。
 

たとえば、子供が片づけができなくて毎日叱っているという場合は、次のような工夫をするといいでしょう。


・毎日○時○分から10分間「片づけタイム」と決めて、その時刻になったら決まった音楽が流れるようにセットしておく
・物の置き場所に「おもちゃ」「学校用品」などの明示をする
・親が簡単収納システムを工夫してやって、簡単に片づけられるようにしてやる
 

この「片づけタイム」を確実に取れば、片づけで叱る必要はまったくなくなります。
ぜひ、実行して欲しいと思います。
 

また、「子供が学校からのお便りを渡し忘れる」という悩みに対して、私のメールマガジンの読者がいい方法を教えてくれました。
その家では、玄関に大きな箱が置いてあり、子供が学校から帰ってきたら、カバンの中身を全部その箱の中に出すようにしているそうです。
 

これによって、全てを白日の下にさらすことができます。
それで、子供は宿題プリントやお便りに気づくことができます。
子供が忘れていても、親の方も発見しやすくなります。
これで、かなり助かっているそうです。
 

子供がよく歯磨きを忘れるのでそのたびに叱っているという場合は、次のような工夫をするといいでしょう。


・お箸と一緒に歯ブラシを食卓に並べておく
・食後の挨拶を「いただきました」ではなく「いただきました、歯を磨こう」にする
・歯磨き粉を数種類用意して気分によって選べるようにする
・電動歯ブラシにしてみる
・歯ブラシセットをお気に入りのキャラクター物にしてみる
 

このように、何事にも合理的な工夫をするようにしてください。親がこのような姿勢を見せていると、子供も合理的な工夫で問題解決するという姿勢を身に付けることができます。