前回、親の愛情を実感できない子がいることと、その原因の1つが親子の触れ合いやコミュニケーションの不足だということを書きました。


実は、もう1つ大きな原因として考えられるものがあります。
それは、「叱りすぎ」です。


子供の中には、毎日本当によく叱られている子もいます。
ある子は、朝自分で起きないといって叱られ、顔を洗わないといって叱られ、ご飯のときに叱られ、身支度で叱られ・・・。こういう具合で、家を出るまで叱られっぱなしです。
 

学校から帰ってくれば、今度は、どんどん勉強しないといって叱られ、字が雑だといって叱られ、片付けをしないといって叱られ、自分からお便りを出さないといってしかられ、テストができなかったといって叱られ、妹に優しくしないといって叱られ・・・。


こういう具合で、要するに家にいる間はずっと叱られっぱなしというわけです。
 

親は、「子供を伸ばすために叱るのだ」と思っているかも知れません。
でも、これがとんでもない大間違いなのです。
叱ることが多くなるのに比例して、子供は伸びるどころか縮んでいきます。
 

私が見るところでは、叱ることには2つの大きなマイナスがあります。
1つは、叱られることが多い子は自分に自信が持てなくなるということです。
 

それはそうです。「これがダメ」「あれがダメ」「これができない」「なんでできないの」などという否定的な言葉を常にシャワーのように浴びせられていたら、誰だって自分に自信を持てるはずがありません。
 

こういう言葉を浴びる度に、子供は「自分はダメな子だ」「自分はできない」「自分はがんばれない」「自分にはいいところがない」などという気持ちになっていくのです。 
こういう言葉を浴び続けている子が、「自分はやれる」「自分はがんばれる」などという気持ちになれるはずがありません。そんなことは、あり得ないことです。
 

そして、自分に自信が持てないということは、言い換えると「自分はダメな子だ」という自己イメージを持つということです。
これは、その子の人生にとって非情にまずいことなのです。
 

というのも、例えば建築物をつくるときに設計図をもとにしてつくっていくように、人間も自己イメージという設計図をもとに自分をつくっていくからです。


「自分はダメな子だ」「自分はがんばれない」などという自己設計図を持っている子は、実際にだんだんそうなっていってしまうのです。
長い間には、必ずそうなります。
 

ですから、子供にいい自己イメージを持たせることこそが大切なのです。
それさえできれば、子供は自然にそちらに向かって伸びていくことができるのです。