私は、23年間、小学校の教壇に立ってきました。
その間に、600人以上の子供を受け持ち、いろいろな子供や親たちと接してきました。
 

世間では、「このごろの子は親によるしつけができていない」という言い方がよくされます。
でも 、私は特にそう感じたことはありません。
それよりも、「この子は親の愛情を実感できていないな」と感じることの方が多かったです。


つまり、「自分は親に愛されている」「大切にされている」「分かってもらえている」「受け入れてもらっている」などの実感を持てないでいる子が、けっこういるのです。
 

そういう子は、どうしても自分の存在に対して自信を持てませんし、親への信頼も持てないのです。
そして、親への不信感は、自分を取り巻く周囲全般への不信感につながっていきます。
 

それで、ちょっとしたきっかけですぐけんか腰になったり、弱い子をいじめたりしてしまうのです。
心の奥に不安感があるので、授業にも集中できません。
当然、学力にも影響してきます。
 

では、なぜ、親の愛情を実感できない子がいるのでしょうか?
その原因の1つは、親子の触れ合いやコミュニケーションの絶対的な不足です。
 

親子でおしゃべりしたり、食事したり、お風呂に入ったり、遊んだり、じゃれ合ったり、買い物をしたり・・・。
こういう時間は本当に大切です。
 

こういう時間の中で、子供の気持ちは満たされ、心が穏やかで安らかになっていくのです。
「自分は愛されている」「自分は存在していいんだ」などの自信が育っていくのです。
 

ですから、子育て中の親たちには、ぜひ、ここを一番大切にしていただきたいと思うわけです。