みなさんは、子どもをほめるとき、ほとんどの場合口でほめていると思います。
つまり、話し言葉でほめているのです。
でも、言葉には話し言葉以外に書き言葉というものがあります。
書き言葉には、話し言葉にない独特のニュアンスやコミュニケーション効果があります。
そこで、ときには書き言葉でほめてみることをお勧めします。
やり方はとても簡単で、口以外のものを使えばいいのです。
たとえば、メモ、ミニ手紙、手紙、メール、ブログなどです。
親子日記の返事もそれに入ります。

どんなに親しい間柄でも、文章でやりとりするとやや改まった感じになります。
この「やや改まった感じ」というのがとてもいいのです。
これがあるおかげで、面と向かってはなかなか言えないことを伝えたり、込み入った内容をじっくり伝えたりすることができます。

親が子どものことを真剣にじっくりほめたいと思っても、親の方に少し照れがあってなかなかほめられないこともあります。
そういうときも、書き言葉だと書くことができます。

「子どもに謝りたい」と思いながらも、なかなか謝れないこともあります。
そういうときも、書き言葉だと気持ちを伝えることができます。
ほかにも、お礼を言いたいとき、心配している気持ちを伝えたいとき、などなど、いろいろあります。

(子どもが思春期で反抗的なときなどにもオススメです)

このように、やや改まって真剣に伝えたいときに書き言葉はとてもいいものです。
それは、書き言葉には「やや改まった感じ」がもともとあるからです。
ですから、親がやや改まった感じで書いてもまったく不自然に感じられないわけです。
それどころか、やや改まった感じのおかげで、子ども真剣に受け止めてくれることになります。

ですから、まったく同じことを伝えるにも、書き言葉のほうが重みがありますし長く心に残ります。
私の教え子の中にも、親からもらったメモや手紙をティッシュで包んで、自分の筆箱の底に大切に入れている子がいました。

さらに、書き言葉のよさとして、詳しく書けるので意を尽くせるということもあります。
たとえば、次の手紙を見てみましょう。

「このごろ、○○ちゃんのことでお兄ちゃんにがまんしてもらうことが多くてごめんね。今日も、○○ちゃんがわがまま言って泣いたとき優しくしてくれてありがとう。普通なら怒りたくなるところだよね。でも、怒るどころか優しく相手をしてくれたね。お母さんはとってもうれしかったし、助かったよ。先生に聞いたんだけど、○○ちゃんもクラスで仲のよかった友達が2人とも引っ越しちゃって、ほかの友達とまだうまくいかなくて今ちょっと気持ち的にたいへんなんだって。もう少しすればだいじょうぶ落ち着くと思いますよって、先生も言ってたからね。いつもいろいろありがとう」

ここには、書いたお母さんの気持ちがとてもよく表れていると思います。
これだけのことを、面と向かって話して伝えるのは難しいのではないでしょうか。
それに、聞いている子どもの方が、途中で「ぼくはだいじょうぶだよ。お母さん、気にしなくてだいじょうぶだよ」とさえぎるかも知れません。

このようなわけで、ぜひ、書き言葉で伝えたり書き言葉でほめたりということを実行してみてください。

もちろん、日常生活の場面でもいいのですが、とくに節目の時などには、ぜひやってほしいと思います。
たとえば、誕生日、始業式、入学式、卒業式、修了式、正月などです。
または、個人的になにか達成したり、あるいは挫折したりしたときなどです。

このようなときは、雰囲気や気持ちそのものが改まっている感じで、気分も高揚しています。
ですから、親が書き言葉による改まった感じで気持ちを伝えるのに、絶好の機会です。

よく、結婚式で新婦が両親に書いた手紙を朗読する場面があります。
これも、人生の大きな節目において、書き言葉による改まった感じで気持ちを伝えるのに絶好の機会なわけです。

本当は心の中にずっとあった「ありがとう」の気持ちを、親子という親しい間柄である故に却って言えなかった心からの感謝の気持ちを、このときは伝えることができます。
それによって、親子の愛情と絆が一層深まるのです。

それは、本当に得難い機会です。
もし、この機会を逃したら、そのさき何十年も伝えられないかも知れません。

結婚式ほどでないにしても、子どもの生活の中にも得がたい機会はいくつかあります。
ぜひ、その機会を生かして、子どもの節目に書き言葉で親の気持ちを伝えてあげてください。
それは、子どもの大切な宝物になるはずです。

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