たとえば、4月1日から子どもがお手伝いとして1日1枚の窓を拭きと決めたとします。 
はじめの1週間は子どももがんばりますし、親もよくほめます。 

ところが、これが3週間目くらいになると子どもも飽きてきますし、親もいい加減になってきます。 
そして、いつの間にかまったくやらなくなってしまいます。 


ところが、この後、ある日突然思い出して叱る親がいます。 
実は、自分も忘れていたのですがそのことは棚に上げて子どもを叱ります。 
(ある日突然思い出して、「仕方がないか、自分も忘れていたんだから」と考える親はそれよりはるかに立派です) 

せっかく始めたお手伝いが、子どものためになるどころか叱る材料になってしまうのです。 
そして、このようなことはお手伝い以外にもいろいろなところで起きます。 

生活習慣のしつけ、習い事、通信教材など、なにか継続して子どもにやらせようとするときには本当によく起きます。 

すべては、子どものために始めたはずです。 

でも、いつの間にか叱る材料になってしまうのです。 
「なんでしっかりできないの!」「ちゃんとやらなきゃだめでしょ」「がんばるって自分で言ったでしょ?」「そんなにイヤならやめなさい。なんでも三日坊主なんだから」 
何かを始める度にそのような結末を迎えてしまう親子がたくさんいます。 

そして、子どもは「やっぱり自分はダメだ」という結論に至り、親は「やっぱりこの子はダメだ」という結論に至ります。 

でも、子どもが続けられないのは子どものせいでしょうか? 
いいえ、実は、そうではないのです。 
本当は、親にこそ原因があるのです。 

もちろん、子どももいろいろです。 
親が少し働きかけるだけでがんばりが続く子もいれば、親があの手この手でしょっちゅう働きかけないと続かない子もいます。 

たしかに、それは事実です。 
でも、後者の子でも、親が上手に働きかければ続けることはできるのです。 

親が子どものせいにしているうちは、絶対いい変化は起こりません。 
親が自らを振り返って責任を引き受けたとき、はじめていい方に進み始めるのです。 

では、子どもが続けられるために、親はどんな働きかけをすればいいのでしょうか? 
それは、1つには、「子どもが自然にできる環境とシステム」をつくることです。 

そして、もう1つは親の見届けを確実に続けることです。 

見届けとは、子どもがそれをやったか確認して、やってあればほめ、やってなかったらやるように促すことです。 
親が毎日この見届けを続けることさえできれば、どんな子でもがんばり続けることができるのです。 

毎日見届けていれば、もし、子どもがやってなかった場合も、親はすぐに気づくことができます。 
そうしたら、おだやかな言い方でやるように促せばいいだけです。 
このようにして「蟻の一穴」を見逃さないようにすれば、子どもも続けられるのです。 

見届けをしていないと「蟻の一穴」を見逃して、大きな穴になってしまいます。 
そうなってから親が気づいた場合、感情的に叱りつけてしまいがちです。 

でも、問題は親が見届けを続けられないということです。 
親もやることがいっぱいあるので、つい忘れてしまいがちです。 

そこで、私がオススメするのは、この見届けについても「親が自然にできる環境とシステム」をつくることです。 

その1つは、ケータイのアラーム機能やスケジュール機能を使う方法です。 
つまり、決めた時刻にアラームが鳴って、「お手伝いの見届け」とか「通信教材の確認」などの文字が出るようにすればいいわけです。 
自分が忘れていても機械が教えてくれます。 

もう1つは、次のような親の見届け表です。 

┌─────┬────┬────┬───┬───┬────┐                      
│     │お手伝い│宿題と通│ 片づけ│ゲームの│なにかを│                     
│         │   │ 信教材 │  │ルール │ ほめる                      
                    
├─────┼────┼────┼───┼───┼────┤ 
│5月7日 │  ○ │  × │  ○ │  ○ │  ◎ │ 
├─────┼────┼────┼───┼───┼────┤                       
│  8日  │  ○ │  ○  │  △  │ / │  × │         


上記の5月7日の場合は、親が子どものお手伝いを見届けたので「○」、宿題と通信教材を見届けるのを忘れたので「×」、子どもをしっかりほめたので「◎」、という意味です。 
この見届け表は、手帳やノートに線を引くだけで簡単にできます。 
または、パソコンでつくるのもいいでしょう。 

この「見届け表」については、下記の記事も参考にしてください。 
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/da/03/index1.html 

このように、「子どもが自然にできる環境とシステム」をつくり、同時に「親が自然に見届けできる環境とシステム」をつくることが大切です。 
そうすれば、子どももがんばりつづけることができ、親もほめ続けることができます。 

それによって、次のようないいことが起きます。 

1, 
生活習慣、お手伝い、勉強、運動、習い事など、いろいろな能力自体を伸ばしてあげることができます 

2, 
子どもは、能力が伸びることで自信が持てますし、自分が努力を継続できることでも自信がつきますし、親にほめられることでも自信がつきます。 

3, 
そして、たくさんほめられることで親子関係もよくなります。 

ところで、普通、親が子どもに何かをやらせるときは1のことが目的のことが多いはずです。 
でも、これから成長していく子どもにとって、2と3は1以上に大切かも知れません。 

ですから、何かを始めるに当たっては、「ほめるためにやらせる」「ほめる材料を作るためにやらせる」という発想で臨んでください。 

つまり、なにごとも、「しつけるため」「学力を上げるため」「運動能力を伸ばすため」というより、「ほめるためにやらせる」というくらいの発想でいた方がうまくいくのです。 

同時に、親が必ず成功に導くという固い決意をしてください。 
そして、「子どもが自然にできる環境とシステム」と「親が自然に見届けできる環境とシステム」をつくって実行してください。 

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